4 去年の夏のことさ

去年の夏のことさ、そりゃ暑かった。

どれだけ暑かったかというと、息子の所属する公立中学バスケットボール部の部員がランニングしてて、何人も気分が悪くなって吐いちゃう、ってくらい暑かった。

テレビとかネットでは連日の猛暑を、非常事態と表現していた。

わたくしは確かにその時の暑さのデータを集めて、またその他もろもろデータを集めたのだ。それを今引っ張り出さねばならぬとうろうろしてしまったが面倒臭くブログが止まってしまったので、今日は過去の気象データなんてネットで簡単に見つけられるさ、と覗いてみたところ非常に細かくってエクセルに落として1日のWBGT値のmaxを抽出してグラフ化して、などしていたらそのエクセル作業が楽しくなってしまってもっとわかりやすくするためにより複雑な数式を持ち出すなどして何をしているのかわからなくなってしまった。

いかん。データは機会があったらのちに示そう。

とにかく暑かったのだよ、去年の夏。

学校は夏休みだった。息子の部活では、頭痛や吐き気をおして、あんまり具合が悪ければ「吐いて来い」と言われ吐いてきたら「よし」とそのまま、炎天下を走るという練習が連日行われていた。3kmほどを何本か走らされ、昼近くに6kmほど離れた市の施設まで走る。コースはほとんど日陰のないアスファルト。もちろん帰りも走る。朝から夕方までの1日練習の大半が、こうしてランニングに費やされる。バスケットボール部。陸上部ではない。

部活の顧問が厳しい、怖い、とは何となく聞いてはいたけど、これはちょっと違うだろ、誰か死んでもおかしくない状況だろ、とわたくしは思った。熱中症を警戒する目安となるWBGT値は、環境省の運動に関する指針では「厳重警戒」の次のランクの「原則運動中止」の31を毎日超えているどころか、普通に33の日々だった。34の日もあった。ちなみに今年の同じ頃を見ると、33の日は2日あるだけ。夏はいつだって暑いものだと思ってはいけない、去年の暑さを忘れて今年だって暑いしと思ってはいけない、去年の夏はとりわけ暑かったんだ。