5 市教育委員会

先生だって熱心にやっている。

 

中学に入って3か月かそこらの息子にしたって、母親が部活の指導に文句つけるなんてやだよね。

 

でもこれは絶対にすぐに、今日か明日には止めてもらわなくてはいけないと、わたくしは考えて市の教育委員会に赴いた訳です。学校に言ってたら時間かかると思った。顧問に熱中症に対する正しい知識があるとは思えないから、校長に言うとしても夏休みでいつ顧問まで話が届くかわからないし、事実関係を調べて云々してたら日が1日、2日と延びていってしまう。いち保護者の言うことを即素直に聞き入れてくれるかどうか。

ということで教育委員会に行って(なんで行く時間があったんだろう。思い出せないけど、確か赴いた記憶がある。或いは赴いたのはその次のことで、初めは電話だけだったか)先に述べたいろんなデータ――その頃のWBGTがいかに高く危険な状況か、熱中症になるのは高齢者ばかりでなく18歳以下のスポーツ中がいかに多いか、ランニング中には複数の人間が次々に倒れる例もある、普段非常に健康で練習熱心なエリート選手が熱中症で亡くなる例、家に帰ってから亡くなる例など――挙げて、外で長時間ランニングするのはやめてもらうようお願いした。

波風立たせたくないし、指導を非難してるように思われたら厭だし(わたしとしては、非難というより、ただ長距離炎天下ランニングを止めてもらえばよかった)、息子に知られたくないし、匿名でお願いしますと頼んだ。

 

教育委員会の対応は好感が持てた。

環境省が出している指針から大きく外れていると指摘されたんだから当たり前かもしれない。確かにそれは心配ですね、学校長に連絡しますと丁寧に対応してくれた。