15 体罰

まあこの後は、学校からも教育委員会からも、まるでシャキッとした反応がないので書き続けるのが辛くって、

つらいって心が痛む、怒りで目が眩む、などのことではない。

だらだらしちゃって、何だか曖昧になってきて、気持ちがだんだん薄れていって、考えるのも書くのも億劫になっていく辛さよ。

黙殺するってこうやってなかったことになる戦法なのね、とよくわかる。戦法なんだから負ける訳にはいかないんだけど、最も注目すべき点は相手は戦法だという意識がないというとこね。

無意識にこういう行動に出るのはこの地方の特徴です。これは言い切りたい。でもそれについてはのちに書くとしよう。

 

とにかく辛い日々をだらだらと過ごすなかにも、息子が通っている学校のことなので少しずついろんな情報が入ってくる訳ですよ。ちょっとしたことがあったわ。

 

「リンチ、リンチ。酷いよ。教室の端まで吹っ飛んだっていうもの」

とは、「リンチ」を受けた生徒の保護者の方から聞いた言葉。

息子の部活の顧問は生徒指導の教師でもあり、部活とは別の煙草を吸った生徒に対して朝から夕方まで他の子どもたちとは違う部屋に隔離して「指導」をしたという情報でした。「指導」の内容は暴力に満ちたものであり、恫喝、平手や足蹴り、胸ぐらをつかんで机の上に仰向けに何度も叩きつける、というものでした。

驚かないよ。いかにもありそうな話だ。だからわたしがその件について訊いた時に学校側だって驚いてなかった。

 

でもさあ、一体いつの時代よ。どこの国よ。

のちにテレビで「学校における体罰」に関する番組をやってたから息子と観てみたとき、「授業中寝ている生徒の肩を揺さぶって起こしたら体罰です」「揺さぶったらやっぱりちょっとやり過ぎ」「えーっ、それで体罰って言われたら先生何にもできないよ」「親がおかしい」などみんなが眉をひそめて意見を言い合ってたので、

われわれ親子は顔を見合わせて、

「一体いつの時代のどこの国の話なんだ?」

つまらんテレビだ、とチャンネルを変えたよ。少なくともわれわれが現在生きている場所と、テレビの世界は全く違うらしい。テレビ局は世の現状を隠すために故意に現実を曲げて人心を操作しているのかもしれない。国がやっているのか。いや宇宙人の陰謀に違いない。

「世の中おかしいよ」などと息巻いていた能天気なタレントに詰め寄りたい、お前地球制覇に利用されてるのわかってんの?

 

ともあれ、いくら驚かなくってもわたくしは、これを黙って傍観する訳にはいかないのだよ。